続・さめよひはちかし

さめよひはちかしについては、譲り受けた古い本で、日本福音連盟発行の「聖歌」という本を見ていたら、184番の楽譜が気になりました。それで歌ってみたらなかなか良いと思ったので、テンポが超スローで難しかったんですが、録音してみたのがこの曲を知るきっかけでした。楽譜には、原作者 Philipp Nicolai アレンジにJ.S. BACHと出ていたので、最近少しネットを見て調べてみるようになりました。

Philipp Nicolaiの原曲は下記のようなものではないかと思います
Wachet auf, ruft uns die Stimme (Sleepers awake) – Philipp Nicolai / Martin Gaskell

Martin Gaskellはカリフォルニア大学天文・天体物理学科の講師 The American Prize (2021)、プロの合唱作曲家部門のファイナリストです。
以下はこの音楽の Martin Gaskellによる説明文です。
これは、私のセッティングでの有名な合唱曲「Wachet auf, ruft uns die Stimme」(「Sleepers awake」) です。コラールの歌詞と音楽は、ルター派の牧師フィリップ・ニコライ (1556 ~ 1608) によって書かれました。彼がウェストファリアのウンナで牧師をしていたとき、ペストが彼の教区民の何百人もを殺しました。これに対するニコライの反応は、1599年に彼の本「Freudenspiegel des ewigen Lebens」(「喜びの永遠の命の鏡」)を書くことでした。 “Wie schon leuchtet der Morgenstern”)。

ヨハン・セバスティアン・バッハは、カンタータ BWV 140 で、教会の年の最後の日曜日、アドベントの前の日曜日に「Wachet auf」を使用しました。賛美歌のテキストは、イエスの再臨についてです。
起きろ、起きろ!スリリングな知らせで
すべての空気が満たされている見張り人、
起きよ、エルサレムよ、起きよ!
時計は真夜中を告げる! もう遅らせることはありません。
時が来ました!私たちは彼らが言うのを聞きます、
賢明な処女の皆さん、あなたたちはどこにいますか?
花婿が見えてきて、
松明を高く上げて明るく!
アレルヤ!結婚式は大声で力強く盛り上がります:
さあ、お祭りの群れに加わりましょう!

シオンは見張り人の叫び声を聞き、
彼女の心は間違いなく喜びで跳ね上がり、
彼女は立って熱心な目で待っています。
天国から彼女の友人が降りてくるのを見て、
終わりのない真実と恵みで飾られた!
彼女の光は澄み渡り、彼女の星は昇る。
さあ来い、貴い王冠よ、
主イエス、神の子よ!
ホサナ!そこに従う準備をしましょう。
あなたの夕食のどこで私たちは分かち合うことができますか。

あなたのすべての魂は喜び、
人と天使の声から
あなただけに栄光が与えられますように!
今、真珠の門が私たちを迎え、
あなたの存在は、もはや私たちを離れることはありません。
私たちはあなたの玉座の周りに天使たちと共に立っています。
地球は下に与えることができません
あなたが与える至福。
アレルヤ!日の長さを上げることを許可してください。
あなたの賛美の勝利の合唱。
(以上Martin Gaskellより)

それでバッハカンタータ140を聞いてみると、

Bach – Cantata no. 140 ‘Sleepers awake’

中ほどにゆっくりとした合唱が聞こえてきます。ということは、
多分これが日本福音連盟発行の「聖歌」の原曲かもしれません。

でもゆっくり過ぎて、三番まで歌おうとしたら長くなるし、ものすごく歌いにくいので、外国ではテンポを速めて歌っていますね。(私もこっちで歌えば良かった・・・・・。下記参照)

Nicolai/Bach, Wake, O Wake! (Trinity, Cambridge)

Wake, O Wake! With Tidings Thrilling

バッハ作品を復活させた、メンデルスゾーンもこの曲を取り上げています。
メンデルスゾーンの有名なオラトリオ St Paul (セント ポール)、作品36は1836年に初演されました。

香港のOratorio Societyの合唱です
St Paul : Sleepers Awake, No11


カンタータは器楽伴奏の付いた声楽作品のことです。バッハカンタータ140はプロテスタント教会での礼拝のために書かれたコラール(讃美歌)を取り入れた教会カンタータです。バッハカンタータ140は合唱が入っていますが全7曲から成るこのカンタータの第4曲を後年、オルガン用に編曲したものが「シュープラー・コラール集」第1曲の「目覚めよと呼ぶ声あり」BWV645です。

Wachet auf, ruft uns die Stimme (Sleepers Awake, BWV 645); Rodney Gehrke, organ 4K HD Video

OLD VERSION Bach – Wachet auf, ruft uns die Stimme BWV 645 – Zerer | Netherlands Bach Society

ピアノ版はこちら
Jan Lisiecki – Bach/Busoni Choral Prelude “Wachet Auf, Ruft Uns Die Stimme”, BWV 645

ブラスアンサンブルはこちら

Barclay Brass plays Bach – Wachet auf, ruft uns die Stimme, BWV 645

Boston Brass – Wachet auf, ruft uns die Stimme, BWV 140 ( Official Music Video ) 4K

平原綾香も、
Sleepers, Wake! ・ 平原綾香

さめよひはちかしの歌詞は、マタイの十人の処女たちのたとえから来ています。

十人の処女たちのたとえ(マタイによる福音書25章1節から13節(口語訳))

そこで天国は、十人のおとめがそれぞれあかりを手にして、花婿を迎えに出て行くのに似ている。その中の五人は思慮が浅く、五人は思慮深い者であった。思慮の浅い者たちは、あかりは持っていたが、油を用意していなかった。しかし、思慮深い者たちは、自分たちのあかりと一緒に、入れものの中に油を用意していた。

花婿の来るのがおくれたので、彼らはみな居眠りをして、寝てしまった。夜中に、『さあ、花婿だ、迎えに出なさい』と呼ぶ声がした。そのとき、おとめたちはみな起きて、それぞれあかりを整えた。ところが、思慮の浅い女たちが、思慮深い女たちに言った、『あなたがたの油をわたしたちにわけてください。わたしたちのあかりが消えかかっていますから』。すると、思慮深い女たちは答えて言った、『わたしたちとあなたがたとに足りるだけは、多分ないでしょう。店に行って、あなたがたの分をお買いになる方がよいでしょう』。

彼らが買いに出ているうちに、花婿が着いた。そこで、用意のできていた女たちは、花婿と一緒に婚宴のへやにはいり、そして戸がしめられた。そのあとで、ほかのおとめたちもきて、『ご主人様、ご主人様、どうぞ、あけてください』と言った。しかし彼は答えて、『はっきり言うが、わたしはあなたがたを知らない』と言った。だから、目をさましていなさい。その日その時が、あなたがたにはわからないからである。

準備が無ければ再臨主が来たことすらわからない。預言者マラキは、メシヤ降臨に先立って、既に昇天したエリヤがまず来るであろうと預言したのであった(マラキ四・5)。したがって、イエス当時のユダヤ人たちは、昇天したエリヤその人が再臨するものと思っていたから、当然エリヤは天より降りてくるであろうと信じ、その日を切望していたのである。

ところが、意外にもザカリヤの息子として生まれてきた(ルカ一・13)洗礼ヨハネを指して、イエスは、彼こそがエリヤであると、明らかに言われたのである(マタイ一一・14)。

 再臨のイエスもエリヤが天から降りてこなかった如くに地上で誕生した人物であり、世界でもっとも迫害を受けた人物です。

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